弁護士との連携をお考えの皆様へ
交通事故被害者の方にできる限りの補償を漏れなく受けていただき、様々な負担を軽減するためには、怪我(人身損害)については、医学的知識・証拠収集に基づく後遺障害の被害者請求、効果的かつ戦略的な任意保険利用、労災保険申請など、物的損害については、自動車の修理内容や時価など、様々な分野の知識・経験が必要となります。
相談・依頼を受けた弁護士としては、当然、できる限り調べたり、主治医・柔道整復師の先生や修理工場の方に教えを乞うたり、他士業の先生に必要な分野を得意とする先生をご紹介いただいたりという形で、何とか個別の事件に対応していますが、依頼者の方のお住まいから遠い先生しかご紹介できなかったり、ご紹介いただいた先生が非常に多忙であったなど、被害者の方にとって十分な体制とは言えないのが現状です。
そこで、当事務所としても、関連分野・業界の皆様との連携・協力体制を、意識的に、ある程度の地域的広がりをもって構築していく必要があると考えています。
提携とか体制などという言葉にしてしまうと、何か顧問などの契約関係のようなご負担を連想させてしまいそうですが、まずは、顔を合わせて話をしてみて、何かあればお互いに気軽に相談できる、あるいは、お客様から相談を受けたときに紹介できるような関係を徐々に築いて行ければと思っています。
関心をお持ちいただけた方は、ぜひ一度、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
医師、病院関係者の方へ
事故直後や治療中の人身事故被害者サポートをしていると、「どこかよい病院はないか」というご相談を受けることがよくあります。しかし、残念ながら、お住まいやお勤め先によっては、過去の案件でお世話になった病院では遠かったり、休診日や最終受付時間が合わなかったり、ご紹介できる病院が少ないのが現状です。
また、通常業務だけでも非常にご多忙の先生にとって、後遺障害診断書等の作成をお願いすることがご負担であることは重々承知しており、できるだけご負担をおかけしないような準備・工夫をしていきたいと考えております。
柔道整復師、接骨院・整骨院関係者の方へ
被害者の方にとって身近な存在で、施術などの間にお話をする機会も多いせいでしょうか、「時々なんだけど、患者さんから、保険会社との交渉や事故車両の時価のことを相談されて、施術にも差しつかえて困る」というお話を当事務所でお付き合いのある柔道整復師の先生がされていたことがあります。
また、施術費については、ここ数年、東京地裁交通専門部裁判官の講演以降、実際の裁判や保険会社の対応が厳しい傾向が顕著で、患者さんにも過失割合が避けられない事案では裁判後に患者さんから接骨院へのクレームに発展するケースもあります。
当事務所でも、「どこかよい接骨院はないか」と聞かれることが多いのですが、上記の施術費のように非常にデリケートな問題もはらんでいるため、安心してご紹介できる先生とのお付き合いを広げて行ければと考えています。
保険代理店の方へ
保険会社各社は事故ダイヤルを用意していますが、実際には、顔も人柄もよく知っている保険代理店担当者様が最初に頼られることも多いと思います。事故現場に駆け付けたり、リサーチに立ち会ったり、本当に頭が下がる思いです。
また、賠償交渉についても豊富な知識・経験にもとづき事実上サポートいただいていることも多いと思います。それでもなお、相手方本人が過失にこだわって訴訟になりそうな場合など、弁護士が必要になる場面はあるかと思いますが、賠償事案でも請求(弁特)事案でも、お客様から弁護士紹介の依頼があれば、契約保険会社の顧問を紹介するだけで足りることも多かったと思います。
ただ、近時は、合理化のため東京の大手事務所に依頼を集約するところも増え、地元での弁護士の選択の幅が狭まっているようです。当事務所でも、保険会社から紹介された弁護士は遠いから自分で探すことにした、相談したけど気に入らなかったという方が増えているように感じます。
一方、自動車保険も以前に比べると商品(特約)が各社様々で非常に複雑化し、弁護士もキャッチアップが大変なのが正直なところです。
そこで、お客様の紹介や個別案件の相談に限らず、裁判例の最新動向など、お互いに情報交換や確認・勉強ができるような関係、いずれは勉強会やセミナーのような仕組みができればと考えています。
行政書士の方へ
後遺障害事案の被害者請求に特化して実績を積み上げられている先生には本当に頭が上がりません。
後遺障害に関する書籍が少なかったころから、有名な先生が関与されていると思われる本を頼りにしていました。試行錯誤しながら多少の経験を積んだ現在でも、実績がない障害の方が多く、ご相談やご紹介ができる先生がいれば心強いですし、それが被害者の方のためになるケースもあると感じています。
社会保険労務士の方へ
通勤中の交通事故では労災保険を先に使った方が良いケースも少なくありません。ただ、勤務先が労災保険の使用を拒否していたり、申請に非協力的なケースもあり、被害者やご遺族の負担軽減と迅速な労災給付のために、労災に精通された社会保険労務士の先生のご協力を仰ぎたいと考えております。
修理工場の方へ
自動車の構造は複雑かつ専門的で、しかも修理費については、部品交換の必要性や価格だけでなく工程・工賃の問題があるため、裁判で修理費が争点になった場合、裁判官も金額の妥当性については判断できず、双方主張額の中間で和解勧告をするか、被告が認める低い金額で判決せざるを得ないのが通常です。
結局、当事務所でも、物損と怪我の両方で相談を受けても、修理工場の方と車両保険を使用するかどうかの打合せをしたり、保険会社のアジャスターとの修理費や時価の協定を修理工場の方にお任せしたまま、相談のみで終結することの方が多いのが現状です。
そういう意味では、修理工場の方にとっては、弁護士と連携する必要性はあまり感じられないかも知れませんが、人身事故の場合、保険代理店も兼ねておられて弁護士の紹介を頼まれた場合や、その他アジャスターとの交渉において賠償項目・裁判例などの疑問がある場合など、お気軽にご相談いただければと思います。