死亡事故の損害賠償請求方法・項目

 ● 請求方法

<主体>

死亡事故の場合、亡くなられた被害者ご本人の損害賠償請求権を「相続したご遺族」が、ご遺族固有の慰謝料とともに請求するのが一般的です。

遺産分割協議書が作成される場合はそれに従って、作成されない場合は全相続人が法定相続分に従って請求することになります。

相続人がたくさんいる場合、遠方にいる場合、所在不明の方がいる場合、遺産分割でもめそうな場合など、請求の前の段階(入り口)で問題が生じることもあります。

<被害者請求>

ご遺族が多額の葬儀費用(ケースによっては入院治療費も)を立て替えていらっしゃる場合が多く、回収まで時間がかかることも多いため、先に自賠責保険に対し被害者請求を行うのが一般的です。ご遺族の保険会社・代理店さんの協力により、ご自身で行うことができます。もちろん、当事務所にご依頼いただくことも、被害者請求をしないまま裁判を起こすことも可能です。

この被害者請求で回収できる部分(ただし、高齢者は2000万、幼児は2500万位が目安)について、手数料方式でなく一律の成功報酬による事務所では、弁護士費用が高額になりますので、注意が必要です。

 

● 請求項目

死亡事故の場合、請求できる項目は、大別すると以下の4つです。

分類 項目
死亡までの損害(傷害部分) 治療関係費、入院付添費など
葬儀関係費用 葬儀社への支払いなど
逸失利益 ご本人が生きていれば得られたはずの収入
慰謝料 ご本人+ご遺族固有の慰謝料

 

1 死亡までの損害(傷害部分)

事故から数日以内に亡くなられる場合、死亡による損害額との対比で休業損害や入院慰謝料は問題とされませんが、長期入院の場合はこれらも検討しておくべきでしょう。

2 葬儀費

裁判基準では、原則として150万円、これを下回る場合は実際の支出額とされています。

実際には、お寺(お坊さん)に払う戒名代・読経料もあると思いますが、領収証がないことが多いため立証は困難でしょう。

墓石代・墓地使用料は高額になりがちで難しいですが、葬儀社への支払額が150万円を下回る場合に仏壇・仏具代などは認められることもありますし、請求明細書・領収証はできる限り保存しておいた方がよいでしょう。

なお、受け取った香典は損益相殺を行わない(賠償額から差し引かない)代わりに、香典返しは損害と認められません。

 

3 >>>逸失利益の計算方法はこちら

 

4 慰謝料

裁判基準では、遺族固有の慰謝料を含めた総額について一応の目安を示しています。下線部は、2016年版で見直し(増額)された部分です。

 

一家の支柱 2800万円
母親・配偶者 2500万円
その他

(高齢者、若年単身者、子供など)

2000万円~2500万円

 

 

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