事例2:頚椎圧迫骨折・11級・主婦、2週間で500万円増額したケース
相談者・依頼者 | 40代女性 土浦市在住 専業主婦 |
傷病名
入通院期間 |
頚椎椎体圧迫骨折
治療期間457日 入院10日 通院実日数44回 |
相談・依頼時の状況 | 既に11級認定済み
任意保険提案400万円 過失相殺10%は妥当(裁判では基本割合20%のリスク大) 早期の穏当な解決をご希望 |
後遺障害等級 | 11級7号 |
弁護士の活動・ポイント | 争点) 逸失利益・後遺障害慰謝料、既払通院費等170万の相当性
経過) 医療記録・裁判例精査 逸失利益14級相当の判決リスクも懸念 →10%過失相殺後の目標800~850万に設定 |
結果 | 2週間で早期示談
依頼前400万 ⇒ 依頼後900万 (増額500万円) |
弁護士費用特約 | ○、自己負担0円 |
1 相談・依頼のきっかけ
頚椎圧迫骨折後のせき柱変形により後遺障害11級が認定され、保険会社から400万円の賠償提案書が届いた時点で、内容・金額が適正なのかを相談にいらっしゃいました。
一見して逸失利益と後遺傷害慰謝料が低額であったため、その場で増額交渉をご依頼いただきました。
2 弁護士の活動
即日、加害者側の保険会社に受任通知を行い、まず後遺障害診断書などを取り寄せ、せき柱変形以外には運動障害も神経症状もなく(残存自覚症状としての頭痛・頚部痛についても、「徐々に緩解の見込み」と明記され、実際、幸いにも相談時には相当軽快されていました)、等級は妥当であることを確認しました。
このようなせき柱変形だけのケースでは、労働能力への影響はないとして逸失利益が否認されることが多いため、大急ぎで裁判例を精査し、直近の東京地裁交通専門部の複数の判断の異なった判決を中心に整理しました。
その結果、椎体骨折態様・経過について後壁損傷や圧潰進行などがなく、他部位の傷病も残存症状もない本ケースでは、逸失利益に関しては14級相当とした判決になるリスクも懸念されたため、その判決よりも有利で本ケースに最も類似する判決を参考に、過失相殺 10%減額後の目標額を800~850万円に設定し、交渉しました。
年度末ぎりぎりでの早期解決の条件として100万円の上積みの最終回答を引き出した時点で、裁判を起こせば逸失利益もそれなりに増額できる可能性があること、とくに過失相殺10%減額分も裁判では20%になるリスクは高いものの人身傷害保険から回収できるケース(※)であるためリスクは皆無であることをご説明しました。
そのうえで、依頼者の方は、保険会社の担当者の対応がよかったこともあり、早期解決を望まれたので、来所から2週間でスピード示談となりました。
3 当事務所が関与した結果
依頼前の保険会社の呈示金額400万に対し、2倍以上、500万円増額することができました。
(40代主婦)治療期間457日 入院10日 通院実日数44回 過失10%
主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
休業損害 | 31万円 | 52万円 | 21万円 |
傷害慰謝料 | 68万円 | 110万円 | 42万円 |
逸失利益 | 166万円 | 383万円 | 117万円 |
後遺傷害慰謝料 | 166万円 | 378万円 | 213万円 |
過失相殺減額 | -31万円 | -114万円 | |
合計 | 400万円 | 900万円 | 500万円 |
4 弁護士の所感
加害者側の保険会社からは通院のためのタクシー代や保育料などで約170万円の内払いがされており、電話交渉でも人柄のよい誠実な担当者の方でしたので、被害者の方が早期解決を望まれたのも納得・共感できるケースでした。
保険会社担当者の中にもこういう人はいらっしゃるのですが、この担当者の方は、本ケースの免責証書発送を最後の仕事として退職されてしまったのが残念です。