手指の後遺障害
手指(しゅし)とは?
文字どおり、「手の指」のことです。
手指の後遺障害の認定基準
欠損障害と機能障害の2つが定められています。
なお、改正により、各指の名称は全てひらがなになりましたが、当サイトでは便宜上、親指と小指は漢字で表記します。
1 手指の「欠損」障害
等級 | 認定基準 |
3級5号 | 両手の手指の全部を失ったもの(「欠損」) |
6級8号 | 片手の5本の指、または、親指を含み4本の指 |
7級6号 | 片手の親指を含み3本の指、または、親指以外の4本の指 |
8級3号 | 片手の親指を含み2本の指、または、親指以外の3本の指 |
9級12号 | 片手の親指、または、親指以外の2本の指 |
11級8号 | 片手のひとさし指、なか指、または、くすり指 |
12級9号 | 片手の小指 |
13級7号 | 片手の親指の指骨の一部 |
14級6号 | 片手の親指以外の手指の指骨の一部 |
●「欠損」の基準
指の関節は、心臓(手首)に近い方から順に、
親指ではMCP・IP、他の指ではMCP・PIP・DIPと呼びます。
欠損は、親指ではIPから先、他の指ではPIPから先を失うことです。
2 手指の「機能」障害
等級 | 認定基準 |
4級6号 | 両手の手指の全部の用を廃したもの(「用廃」) |
7級7号 | 片手の5本の指、または、親指を含み4本の指 |
8級4号 | 片手の親指を含み3本の指、または、親指以外の4本の指 |
9級13号 | 片手の親指を含み2本の指、または、親指以外の3本の指 |
10級7号 | 片手の親指、または、親指以外の2本の指 |
12級10号 | 片手のひとさし指、なか指、またはくすり指 |
13級6号 | 片手の小指 |
14級7号 | 片手の親指以外の指の「遠位指節間関節」(DIP)を屈伸することができなくなったもの |
●「用廃」の基準
①親指ではIPから先、他の指ではPIPから先の、半分以上の欠損
または
②親指のMCP・IP、他の指のMCP・PIPのどれかの、可動域が半分以下に制限
→屈曲及び伸展の可動域角度の合計値で評価
cf)親指以外のDIPは屈伸不能(強直)の場合のみで14級しかない
●「屈伸することができなくなった」
①関節が強直(きょうちょく)したもの=可動角度10°以下
または
②屈伸筋の損傷など原因が明らかで、自動で屈伸不能またはこれに近い状態
最近の相談事例
手指の機能障害は、自転車での被害事故による骨折(とくに小指)など、意外に身近な後遺障害であり、ご相談が増えています。
小指骨折・手術後の骨性マレット指という傷病名ですが、DIPの可動角度が40°あるため、手指の機能障害としての14級7号には該当しないケースでした。
しかし、手術後も疼痛が継続・残存していることが記載されていれば、神経症状としての14級9号の可能性があったにもかかわらず、診断書すべてに一切記載がなかった点が悔やまれるケースでした。