過失相殺と人身傷害保険の使い方

人身傷害保険は、被害者にも過失があるとされてしまうケース=加害者側の保険会社から損害全額を回収できないケースにおいて、有効に利用できる可能性があります。加害者に対する賠償請求(訴訟)と、ご自分の保険会社に対する人身傷害保険金請求の、どちらを先に行うかによって大きく結論が変わります。

 

1 賠償先行型

加害者に対する賠償請求訴訟を先に行い、判決または裁判上の和解によって損害額と過失割合を確定させた後に、過失相殺によって減額された分について人身傷害保険金を請求する方法です。当事務所の解決事例(「人傷差額」とあるもの)は、今のところは、すべてこの方法です。

 

必ず裁判をしなければならない点ではベストとはいえない方法ですが、平成24年最高裁判決に合わせて、多くの保険会社が人身傷害保険金の支払基準について、「判決または裁判上の和解がある場合は裁判基準に合わせる」という改訂を行ってきたため、過失相殺が避けられない場合でも、かなり多くのケースにおいて、裁判基準によって全損害を回収できるようになりました。

 

今のところ、解決事例と進行中の事件で確認できた保険会社は、以下の通りです。

 

・損害保険ジャパン日本興亜(株)
・そんぽ24損害保険(株)
・三井住友海上火災保険(株)
・三井ダイレクト損害保険(株)
・あいおいニッセイ同和損害保険(株)
・チューリッヒ保険会社
・SBI損害保険(株)
・東京海上日動火災保険(株)

 

※解決事例のタイトルは、過失割合と『人傷差額』という略語で表示しています。

 

2 人傷先行型

こちらは、先に人身傷害保険金の全部または一部の支払を受けた後に、残額について加害者(対人賠償責任保険会社)に請求する方法です。

 

うまく行けば、裁判をせずに1と同じ結果が得られるのですが、今のところ、1の約款改訂が済んでいる保険会社からは訴訟提起をしてくれという回答になっていますし、約款改訂がない保険会社や共済の対応を他の弁護士に聞いてみると、なかなか人身傷害保険会社(「人傷社」)との調整がつかないようです。

 

なぜ調整が必要かというと、人傷社が保険金を支払う際には、人傷社の加害者に対する求償権を確保するため、「契約者は加害者に残額の請求をしない」という趣旨の協定書にサインを求められることが多かったためです。

 

本来は、平成24年最高裁判決以降は、このような協定書も改訂されるべきなのですが、現在もあるようです。また、仮にこの点を留保した協定をするとしても、適正な損害額と過失割合は、最終的には裁判をしなければ確定できない、という考え方も背景にあるのかもしれません。

 

いずれにしても、今後も、受任した事件の必要に応じて、人傷社との調整は模索していきたいと思います。

 

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